チャットレディの求人ページを開くと、ほとんどのサイトで「アダルト」「ノンアダルト」という区分に出会います。ところが、その言葉が実際にどこまでの行為を指すのかは、どの募集ページにもはっきりとは書かれていません。

「アダルトを選んだら、断れない要求が来るのではないか」。そう思って登録の手前で止まってしまうのは、情報が足りないせいであって、慎重すぎるからではありません。

この境界線は、実は事務所が決めているものではありません。どこまでできるかは法律の側で先に決まっていて、事務所はその枠の内側で募集をしています。そこを起点にすると、「何をするのか」「断れるのか」「後から変えられるのか」が順番につながって見えてきます。

この記事で確かめること
  • アダルトとノンアダルトを分けている本当の基準
  • 会話の中身と客層が実際にどう変わるのか
  • 報酬がどれくらい違うのかを公開されている数字で確認する
  • 嫌な要求を断れるのか、後から選び直せるのか

「アダルト」と書かれていても、実際に何をするのかが分からない

夜の自室でノートパソコンの求人ページを前に手を止めている様子

募集ページに並んでいるのは、たいてい「アダルトあり」「ノンアダルト可」といった短い表記だけです。そこから先、何をどこまでするのかが書かれていることは、ほとんどありません。

調べるほど話がかみ合わなくなるのも、つまずきやすいところです。「アダルトは全部脱ぐ」と書く記事もあれば、「脱がなくても大丈夫」と書く記事もある。どちらも同じくらい自信をもって書かれているので、読み比べても結論が出ません。

ただ、この検索をしている人が本当に知りたいのは、言葉の定義そのものではないはずです。知りたいのは、もっと手前にある一点です。

本当に確かめたいのは、たぶんここ
  • 自分が「これは無理」と思った行為を、断る余地があるのか
  • 断ったときに、報酬や扱いで不利になったりしないのか
  • 一度決めた区分を、後から変えることはできるのか

この3つは、募集ページの「アダルト/ノンアダルト」という2語だけでは絶対に分かりません。そして、この答えを出すには順番があります。まずその区分を誰が決めているのかから見ていきます。ここが分かると、残りの疑問は驚くほど素直に片づきます。

デスクに置かれた法令集と読書用メガネ

結論から言うと、アダルトとノンアダルトは事務所が独自に決めた呼び分けではありません。国の制度として、はっきり別の枠に分けられています。

性的な配信は、届出が必要な営業として扱われる

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の第2条第8項に、映像送信型性風俗特殊営業という区分があります。名前は長いですが、中身は「性的好奇心をそそるために、性的な行為や衣服を脱いだ姿の映像を、インターネットで客に見せる営業」のことです。

アダルトのライブチャットは、この区分にあたります。そして、この営業をする事業者は営業を始める10日前までに、事務所の所在地を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に届け出なければなりません。

つまり「アダルトのサイト」とは、この届出をしたうえで運営されている場所のことです。ノンアダルトのサイトは、そもそもこの枠に入らない形で運営されています。区分の違いは、届出をした枠の中で配信するかどうかの違いだということです。

「どこまで脱ぐか」の上限も、法律の側にある

もう一つ、配信する側にかかる線引きがあります。刑法174条の公然わいせつ罪です。

この条文でいう「公然」とは、不特定または多数の人が認識できる状態を指します。実際に何人が見ていたかは関係なく、見られる可能性があれば足りると解釈されています。有料の会員制サイトであっても、この条件は満たされます。

そして「わいせつ」にあたるとされるのが、性器の露出、性交、性的な接触にあたる行為です。一方で、キスや胸の露出だけでは、この条文にいうわいせつには当たらないと整理されています。

決まっていること根拠何が決まるか
性的な映像を見せる営業の枠風営法2条8項アダルトとして届出が要る営業か、そうでないかの区分
営業を始める前の手続き風営法にもとづく届出営業開始の10日前までに所轄警察署を経由して公安委員会へ
配信でしてはいけない行為刑法174条性器の露出・性交・性的な接触は公然わいせつにあたる
罰則刑法174条6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金など

ここで押さえておきたいのは、この上限がお客さんの要求でも事務所の指示でも動かせないという点です。「もっと見せて」と言われても、そこから先は法律が禁じている領域なので、応じる義務はそもそも存在しません。

言い換えると、アダルトを選ぶというのは「際限なく要求を飲む」という意味ではありません。上限が引かれた枠の中で働くという意味です。募集ページの「アダルト」という2文字だけを見ていると、この上限が見えないので、想像が最悪の方向に膨らんでしまいます。

言葉のかみくだき
  • 映像送信型性風俗特殊営業…性的な映像をネット配信で見せる営業のこと。届出が必要な区分
  • 公然わいせつ罪…不特定多数が見られる状態で、わいせつな行為をしたときに成立する罪
  • ノンアダルト…性的な演出を含まない、会話中心の配信

実際の仕事内容はどう変わる?会話の中身と客層の違い

制度上の枠が分かったところで、日々の仕事がどう変わるのかを見ていきます。変わるのは主に、話す内容相手の層、そして求められる対応です。

ノンアダルトアダルト
会話の中身趣味・日常のできごと・恋愛相談など、普通の雑談が中心性的な話題や演出を含む。話の内容そのものが目的になりやすい
露出脱衣や露出はしない演出として含まれるが、性器の露出は法律で禁止
相手が求めるもの話し相手としての居心地のよさ、続けて通いたくなる関係その場で完結する満足度。反応の速さが重視されやすい
会話が続く時間長め。1人と長く話す形になりやすい短めに区切られやすく、入れ替わりが多い
向き不向きが出る点話題を作り続ける負担気持ちの切り替えの負担

表にすると対照的ですが、実際に働いている人の感覚では、どちらが楽かは人によって逆転します。会話を続けるのが得意な人にとってノンアダルトは負担が少なく、逆に「毎回ゼロから話題を作るほうがしんどい」と感じる人もいます。収入だけで選ぶと、この向き不向きを見落とします。

実は二択ではない

ここまで2つを並べてきましたが、募集の実態を見るとその中間を用意している事務所があります

たとえばライブチャット・ジュエルは、お仕事内容のページで接客ジャンルをノンアダルト・アダルト・ミックスの3つから選べると明記しています。あわせて「お客様からの脱ぎ行為の強制やお店側からの強制もない」とも書かれています。

PRIMA(プリマ)のように、ジャンルは2つと整理したうえで、ノンアダルトだけでの稼働も可能としている事務所もあります。

つまり「登録=どちらかに固定される」という前提そのものが、必ずしも正しくありません。募集ページの表記が2語しかないせいで二択に見えているだけ、という場合があります。

ここまでの整理
  • 変わるのは会話の中身・相手の層・求められる対応の3つ
  • 負担の感じ方には向き不向きがあり、収入だけでは決められない
  • ミックスという中間を用意している事務所があり、必ずしも二択ではない

報酬はどれくらい変わる?公開されている数字で確かめる

ノートと電卓で収入を計算している手元

「アダルトのほうが稼げる」とはよく書かれていますが、肝心のどれくらい違うのかが示されることはあまりありません。ここでは各事務所が公開している数字だけを使って、差の実際の幅を確かめます。

差が生まれる場所は3つある

報酬はひとつの数字で決まっているわけではなく、次の3つの掛け算で決まります。ここを分けて見ないと、事務所ごとの条件を比べる土俵が作れません。

決まり方内容区分で変わるか
分単価1分あたりいくら発生するか。チャットの形式ごとに違う大きく変わる
報酬率サイトの売上のうち何%が自分に入るか。通勤か在宅かでも変わるほぼ変わらない
待機時間お客さんが来ていない時間。ここが長いと時間あたりの報酬は下がる変わる

つまり「アダルトは稼げる」の中身は、分単価待機時間の短さです。報酬率そのものが区分で動くわけではありません。

公開されている数字で見た差

PRIMA(プリマ)は、チャットの形式ごとに1時間あたりの平均報酬をノンアダルト・アダルトの両方で公開しています。同じ条件で並んだ数字なので、差の幅がそのまま読み取れます。

2つの形式について
  • パーティーチャット…複数のお客さんが同時に入ってくる形式。1人あたりの単価は低いものの、人数が増えるほど合計は上がります
  • ツーショットチャット…1対1で話す形式。単価は高めですが、相手は1人だけです

形式別・1時間あたりの平均報酬(PRIMA公開値)

パーティーチャット(円)

ノンアダルト
2,000〜5,000円
アダルト
5,000〜10,000円

ツーショットチャット(円)

ノンアダルト
3,000円
アダルト
8,000円
ノンアダルトアダルト

同じ形式どうしで比べると、おおよそ2倍から2.7倍の幅です。ポケットワークも公式のよくある質問で、1日5時間×週4日で働いた場合にノンアダルト20万円・アダルト40万円と、約2倍の差を示しています。複数の事務所が近い数字を出しているので、2倍前後というのが実勢に近いと考えられます。

ただし、上のグラフをよく見ると、もうひとつ気づくことがあります。ノンアダルトのパーティーチャットは、アダルトのツーショットに近い水準まで届く場合があるということです。差を作っているのは区分だけではなく、形式の選び方でもあります。

ノンアダルトのまま収入を上げる余地

この記事で取り上げている3つの事務所は、それぞれ違う形でノンアダルトを支える仕組みを公開しています。

ブランドこの事務所の位置づけノンアダルトの扱い収入情報の公開度選び直しの幅待機中の保証
ノンアダルト専門を掲げるグループで、在籍女性の98.4%がノンアダルト出演。会話だけで稼ぐノウハウを1,000種類以上蓄積し、強制・強要をしないことを「8つのお約束」として明文化しています。
4.75

専門グループ

在籍の98.4%がノンアダルトで稼働している
3.75

形式別に公開

2ショット時給4,500円など形式ごとに提示
3.50

希望者のみ

アダルトは禁止ではなく希望者だけが選ぶ形
3.00

新人保証あり

待機保証はあるが金額の公開はされていない
年間登録者数約47,000人の大手。区分ごとの収入差を公式に公表している数少ない事務所で、新人には待機時間にも1,000円/時のボーナスが付きます。
3.50

選択できる

ノンアダルト対応ありで顔出しなしも選べる
4.75

区分差を明示

20万円と40万円という差を公式FAQに掲載
4.00

働き方が広い

在宅と通勤に加え電話やメールの仕事も選べる
4.75

1,000円/時

新人30日間は上限なしで待機ボーナスが付く
ノンアダルト・アダルトに加えてミックスを用意し、3つから選べると公式に明記。脱ぎ行為の強制は客側からも店側からもないと記載しています。
4.25

3つから選ぶ

ノンアダルト・アダルト・ミックスを選択できる
3.50

形式別に公開

双方向1分120円など分単価を公式に掲載
4.75

中間がある

ミックスがあり二択で固定されずに調整できる
4.00

1,500円/時

福岡中央店は入店1か月の時給保証を公式に明示

数字の差は確かにあります。ただ、待機保証や形式の選び方まで含めて見ると、区分を変えることだけが収入を上げる方法ではないことが分かります。

断れるのか、後からノンアダルトに戻せるのか

二手に分かれた道が明るく開けている風景

ここが、この検索をしている人にとって一番知りたい部分だと思います。順番に見ていきます。

断れることを、文書にしている事務所がある

「断れます」と口で言うのは簡単です。確かめたいのは、それが仕組みとして残っているかでしょう。

フェアリーテイルは「8つのお約束」として、事務所からのアダルトチャットへの誘導はしない、強制・強要は一切しないことを明文化して公開しています。「脱いで」といった要望はきっぱり断れるとも案内されています。

数字のほうがはっきりしているかもしれません。同グループでは在籍女性の98.4%がノンアダルトで稼働しています。アダルトは禁止ではなく、希望する人だけが選ぶ形で、その割合が約2%です。選択肢が形だけ用意されている状態とは、明らかに違います。

ライブチャット・ジュエルも、お客様からの脱ぎ行為の強制も、店側からの強制もないと公式に記載しています。

ただし、そうでない現場の声もある

公平のために書いておくと、逆の報告もあります。

ある事務所については、第三者メディアの口コミに「ノンアダルト希望でもアダルト案件が多く感じた」という声が載っています。同じ事務所の体験レビューでは、働いた本人から「アダルトとノンアダルトの境目が曖昧で、基準が欲しい」という改善要望も出ています。別の事務所でも、ノンアダルト推奨をうたいながら、店舗によっては強要されたという報告が確認できます。

ここから言えるのは、方針は事務所ごと、ときには店舗ごとに違うということです。「チャットレディ業界はこうだ」とまとめて判断することはできません。だからこそ、面接の場で自分の目で確かめる必要があります。

面接で確かめておきたいこと
  • ノンアダルトだけで働き続けられるか。それは文書やサイトに書かれているか
  • 実際にノンアダルトで働いている人が、在籍のどれくらいを占めるか
  • 断ったときに、報酬や扱いで不利になることはないか
  • 後から区分を変えたい場合、どういう手続きになるか
  • 顔出しをしない場合、どこまで隠せる設備があるか

選び直せるかどうか

「一度アダルトを選んだら、もう戻れないのではないか」。この不安は多くの人が持っているはずですが、他の記事ではあまり正面から扱われていません。

制度の面から言えば、区分は登録時に決めて終わりというものではありません。ライブチャット・ジュエルのようにミックスを含む3つから選べる事務所であれば、その時々の状況に合わせて調整できます。ポケットワークのように在宅・通勤に加えて電話やメールの仕事まで用意している事務所なら、配信そのものから距離を置くという選び方もできます。

ただし、正直に書いておかなければならないことがあります。配信された映像が第三者に録画される可能性は、技術的にはゼロにはできません。これはどの事務所を選んでも同じです。

できるのは、そもそも自分だと分からない状態で配信することです。この点は事務所によって設備の差が大きいところです。

身元が分からないようにするための備え

顔を隠す手段
フェアリーテイル
顔出しは任意。ウィッグ・マスク・コスプレでの変装に加え、カメラ映像への特殊加工にも対応しています。
ポケットワーク
顔出しなしを選べます。AIカメラを備え、通信はSSLで暗号化されていると案内されています。
ライブチャット・ジュエル
顔出しなしで働けます。化粧・衣装・カメラの映り方やアングルについてのマニュアルが用意されています。
身バレ対策の実績
フェアリーテイル
お客様への身バレが過去に1件もないと公表。身バレ対策を含むノウハウを1,000種類以上蓄積しています。
ポケットワーク
24時間365日、女性スタッフが常駐する体制でサポートにあたっています。
ライブチャット・ジュエル
会員制サイトのため誰でも見られる状態ではなく、事務所の所在地や勤務先も客側には伝わりません。
勤め先を知られない配慮
フェアリーテイル
マイナンバーの提出が不要で、事務所の住所も安全のため公開していません。
ポケットワーク
在宅と通勤を選べ、在宅なら通勤の姿を見られる心配がありません。
ライブチャット・ジュエル
全国に約40の通勤ブースがあり、生活圏から離れた場所を選ぶこともできます。

取り返しがつかなくなるのが怖いなら、順番を逆にするのが現実的です。まずノンアダルトで始めて、続けられそうか確かめてから考える。これなら、判断を先送りにしたまま働き始めることができます。

アダルトとノンアダルトの違いに関するよくある質問

A.成立します。ノンアダルト専門を掲げるフェアリーテイルでは、在籍女性の98.4%がノンアダルトで稼働しています。報酬もPRIMAの公開値でパーティーチャットが1時間あたり2,000〜5,000円、ツーショットが3,000円と提示されています。アダルトと比べると2倍前後の差はありますが、仕事として成り立たない水準ではありません。

A.顔出しの有無と、アダルトかノンアダルトかは別の話です。どちらの区分でも顔出しなしを選べる事務所があります。ウィッグやマスクでの変装、カメラ映像への加工、顔の下半分だけを映すなど、事務所ごとに用意されている手段が異なるため、面接時に確認しておくと安心です。

A.事務所によります。ライブチャット・ジュエルのようにノンアダルト・アダルト・ミックスの3つから選べると明記している事務所であれば、状況に合わせて調整しやすくなります。一方で運用が曖昧な事務所もあるため、登録前に「後から変更したい場合はどうなるか」を必ず聞いておくことをおすすめします。

A.変わりません。アダルトでもノンアダルトでも、得た報酬は同じように所得として扱われます。事務所によっては確定申告のサポートや、社会保険に加入できる制度を用意しているところもあります。

A.あります。国内でアダルト配信を扱うサイトは、風営法にもとづく届出をしたうえで運営されています。一方、海外運営のサイトは日本の制度の外にあるため、トラブルが起きたときに守られにくくなります。国内サイトのみを扱うと明記している事務所を選ぶほうが安全です。

A.そんなことはありません。性器の露出などは刑法174条の公然わいせつにあたるため、そもそも応じてはいけない領域です。上限は法律の側で決まっていて、お客様の要求や事務所の指示で動かせるものではありません。それ以外の範囲についても、強制はしないと明文化している事務所があります。

まとめ

「アダルト」という2文字が怖く見えるのは、その言葉がどこまでを指すのか書かれていないからです。範囲が分からないものは、どうしても最悪の想像で埋めてしまいます。

実際には、範囲は最初から決まっていました。決めているのは事務所ではなく、風営法の営業区分と刑法174条です。上限が引かれているという前提に立つと、「際限なく要求される仕事」ではなく枠のある仕事として見えてきます。

この記事の要点
  • 区分の違いは、風営法2条8項の届出をした枠で配信するかどうかの違い
  • 「どこまで脱ぐか」の上限は刑法174条で決まっていて、要求では動かせない
  • 変わるのは会話の中身・客層・求められる対応。ミックスという中間もある
  • 報酬差は公開値で2倍前後。ただし形式の選び方や待機保証でも差は縮まる
  • 強制しないことを文書にしている事務所がある一方、曖昧な現場もある。面接で確かめる

最後にひとつだけ。迷っているなら、ノンアダルトから始めて、続けられそうか確かめてから考えるという順番があります。決めきってから動き出す必要はありません。