チャットレディの求人を見ていると、募集要項に「ノンアダ可」「ノンアダルト専門」という言葉が並んでいます。ただ、その言葉が具体的に何を指すのかまで書いてある求人ページは多くありません。

ノンアダとは、脱いだり性的なパフォーマンスをしたりせず、会話だけで接客する働き方のことです。ただし注意したいのは、同じ「ノンアダ対応」でも事業者によって中身がかなり違うという点です。在籍者のほとんどが実際にノンアダで稼働している専門の事務所もあれば、ノンアダを掲げつつ店舗によって対応が割れているという記録が残っている事業者もあります。

この記事では、ノンアダの意味と仕事内容を整理したうえで、求人票の「ノンアダ可」をどこまで信じてよいかを自分で判断できるところまで解説します。

この記事でわかること
  • ノンアダルトの意味と、実際に何をして何をしないのか
  • アダルトとの違いを仕事内容・報酬・法律上の扱いで整理
  • 「ノンアダ可」と「ノンアダ専門」がどう違うのかの見分け方
  • 実際の事業者が公開している体制の違いの比べ方
  • 顔を出さずに働く方法と、用意されている身バレ対策

チャットレディのノンアダ(ノンアダルト)とは

ノンアダルトのチャットレディが使う自宅の作業机

ノンアダとはノンアダルトの略で、性的なパフォーマンスを伴わず、会話だけで接客する働き方を指します。画面越しに男性会員と話すところまでは同じですが、脱いだり体を見せたりする行為は含みません。

実際に何をするのか

仕事の中身は、想像よりずっと日常的な会話です。実際の事業者が公開している業務内容を見ると、趣味や日常の話、恋愛相談といった内容が中心に挙げられています。NMRグループは、ノンアダルトの内容として趣味・恋愛・日常会話のほか、コスプレやASMR、楽器演奏といった脱衣や露出を伴わない配信を挙げています。

ノンアダルトでやること・やらないこと
  • やること:趣味や日常の雑談、恋愛相談、聞き役に回る会話、コスプレやASMRなど脱衣を伴わない配信
  • やらないこと:脱衣・露出、性的なパフォーマンス、お客さんと直接会うこと、体に触れられること

接客の形式は3種類ある

報酬の話をするときに必ず出てくるので、先に接客の形式を押さえておきます。この形式の違いが、そのまま収入の差になります

形式どういう接客か報酬の考え方
2ショットチャットお客さん1人と1対1で話す1人あたりの単価で決まる
パーティーチャット複数のお客さんが同時に入室して話す入室した人数分が加算される
双方向チャットお客さん側もカメラや音声を使って会話する2ショットより単価が高く設定される

フェアリーテイルが公開している給料の仕組みでは、パーティーチャットは1分30円からで、10人が入室すれば1分300円まで上がると説明されています。ノンアダルトでも人数を集める形式を選べば単価構造そのものが変わる、というのがここでのポイントです。

言葉の定義だけでは判断しきれない

ここまでが一般的な説明です。ただ、実際に求人を探し始めると、この定義だけでは判断できない場面にぶつかります。どの求人ページにも同じように「ノンアダ可」「アダルト強要なし」と書かれているからです。

言葉が同じでも、運営の実態には差があります。その差をどう見分けるかは、この記事の後半で扱います。

ノンアダとアダルトは何が違うのか

結論から言うと、違いは仕事内容・報酬・法律上の扱いの3点に集約されます。報酬はアダルトのほうが高い、これは事実です。ただ、その差がどのくらいなのかを知らないまま判断すると、必要以上に不安になります。

ノンアダルトアダルト
仕事内容会話のみ。脱衣・露出なし性的なパフォーマンスを含む
報酬水準低め(事業者により約半分との公開例あり)高め
顔出し事業者により任意にできる場合がある顔出しを求められやすい
法律上の扱い性風俗関連特殊営業にあたらない映像送信型性風俗特殊営業に該当

報酬差はどのくらいあるのか

収入差を公開している事業者は多くありませんが、ポケットワークは公式のよくある質問で具体的な数字を出しています。1日5時間・週4日の勤務でノンアダルト20万円に対しアダルト40万円、つまり約2倍の差があるという説明です。

ただしこれは同じ働き方を前提にした比較です。前の章で触れたとおり、ノンアダルトでも接客の形式によって単価構造は変わります。Withは、パーティーチャットであればノンアダルトでも時給6,000円から(お客さん3人と話した場合の報酬)と募集要項に記載しています。

法律上の位置づけが違う

あまり語られませんが、両者は制度上の扱いそのものが別です。警視庁が示す「映像送信型性風俗特殊営業」の定義は、専ら性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面または衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業、というものです。

つまり脱衣や性的な行為を含まない会話中心の配信は、この定義から外れます。ノンアダルトは、法律の枠組みの上でもアダルトとは別のものとして整理されているということです。

報酬だけで決めないほうがよい理由
  • アダルトのほうが単価は高いが、続けられなければ月あたりの収入にはならない
  • 顔出しの有無や身バレのリスクは、あとから取り返しがつかない性質のもの
  • ノンアダルトでも形式の選び方で単価は変わるため、時給表記だけでは比較しきれない

「ノンアダ可」と「ノンアダ専門」は同じではない

求人票を読み比べる机の上の様子

ここがこの記事で一番お伝えしたい部分です。同じ「ノンアダ対応」でも、運営の体制には段階の差があります。求人票の言葉だけを見比べても差が出ないのは、この段階が文言に現れないからです。

実際に3つの段階がある

37の事業者が公開している情報を突き合わせると、ノンアダへの向き合い方は次の3段階に分かれます。

段階求人票での表れ方確認できること
専門として運営ノンアダルト専門を掲げ、実際の稼働比率まで公開している運営方針として定着しているか検証できる
選択できるアダルトとノンアダルトを選べる、強要はしないと明記選べることは確かだが、実態は店舗差が出うる
明示なし「会わない・触られない」など安全性のみを訴求アダルトの有無について何も約束していない

専門と選択制では検証できる情報が違う

専門として運営している事業者は、方針を数字で示せます。フェアリーテイルは業界初のノンアダルト専門グループを掲げ、複数の情報源が在籍女性の98.4%がノンアダルトで出演していると記載しています。アダルトは禁止ではなく希望者のみで、割合はおよそ2%です。さらに8つのお約束として、事務所からのアダルトチャット誘導はしない、強制・強要は一切しないという方針を明文化しています。

一方、選択制の事業者では公式に強要なしと書いていても、実際の対応が割れている記録が残ることがあります。アットグループは公式にノンアダ推奨を掲げていますが、第三者媒体には、ノンアダ・顔出しなしOKと書いてあるのにアダルト方面へ勧められたという店舗単位の報告が複数残っています。

アリュールも同様に両対応で、ノンアダルトサイトの月間売上ランキング1位を10年連続で維持している実績がある一方、口コミにはノンアダだけでは稼ぎにくいと勧められたという声もあり、店舗やスタッフによって対応に差が出る点が指摘されています。

求人票を読むときの3つの確認点

言葉が同じでも、どこまで踏み込んで書いているかで判断できます。

求人票で確認したい3点
  • 比率や実績の数字があるか。「ノンアダ可」だけでなく、実際にどのくらいの人がノンアダで働いているかまで書いてあるかを見る
  • 方針が文書になっているか。誘導しない・強要しないといった約束が、キャッチコピーではなく運営方針として明文化されているか
  • 直営か加盟店かが分かるか。店舗ごとに運営者が違う形態では、本部の方針が全店に行き渡らない場合がある

逆に言えば、「会わない・飲まない・触られない」だけが書かれている求人は、アダルトの有無については何も約束していないということです。安全性の訴求とノンアダの担保は別の話だと切り分けて読んでください。

体制の違いを実際の事業者記載で見比べる

前の章で挙げた3つの段階が、実際の事業者ではどう現れるのかを見比べてみます。ここで並べるのは順位づけではなく、同じ項目について各社が何をどこまで公開しているかです。公開の粒度そのものが判断材料になります。

比べる軸は、このキーワードで検索する方が重視する順にノンアダ体制、身バレ対策、未経験サポート、運営の信頼性、働き方の選択の5つを選びました。ノンアダで働けるかが出発点で、次に顔を出さずに済むか、そして続けられる支えがあるかという順に並んでいます。

ブランドこの事業者の特徴ノンアダ体制身バレ対策未経験サポート運営の信頼性働き方の選択
ノンアダ体制は業界初の専門グループを掲げ在籍の98.4%がノンアダ稼働。身バレ対策は顔出し任意・映像加工・マイナンバー提出不要。未経験サポートは1,000項目超のマニュアルで応募の約92%が未経験スタート。運営は2011年から続く法人で業界団体のゴールド会員。働き方は原則通勤型。
4.75

専門・98.4%

在籍の98.4%がノンアダ稼働と複数の情報源が記載
4.40

顔出し任意

映像加工とウィッグ貸出。マイナンバー提出も不要
4.50

約92%が未経験

1,000項目超のマニュアルと経験10年以上の担当者
4.60

2011年から運営

法人経営で業界団体のゴールド会員・受賞歴あり
2.75

原則は通勤

公式は通勤型。在宅は店舗判断で例外的に可
ノンアダ体制は専門店を公式トップで標榜する一方、募集要項にアダルトの記載もあり選択は可能。身バレ対策はアリバイ対策と防音個室が中心。未経験サポートは在籍の約9割が未経験で24時間相談可。運営は九州特化だが法人名や運営年数の公開はなし。働き方は在宅と通勤を自由に選べる。
3.60

専門を標榜

公式は専門店を掲げるが募集要項にアダルトの記載も
3.10

アリバイ対策

防音個室とウィッグ着用。映像加工の記載はなし
4.10

約9割が未経験

365日24時間スタッフが待機し電話やLINEで相談可
2.25

法人名は非公開

九州特化を訴求するが運営年数や法人名の記載なし
4.40

在宅・通勤可

在宅は最低時給が通勤より高く機材の貸出もあり
ノンアダ体制は両対応の選択制ながらノンアダ売上10年連続1位の実績。身バレ対策は自動補正カメラ・ウィッグ貸出・声だけのアバター出演まで最も具体的。未経験サポートは応募の約9割が未経験。運営は2006年創業で全店直営。働き方は在宅と通勤の両対応で在宅は料率が高い。
4.00

10年連続1位

選択制だがノンアダ売上1位を10年維持の実績
4.70

補正カメラ完備

自動補正カメラと声だけのアバター出演にも対応
4.30

約9割が未経験

女性スタッフが指導し月1回のセミナーも開催
4.40

2006年創業

約20年の運営で全店直営のため店舗差が出にくい
4.50

在宅・通勤可

在宅は料率が高くPCとカメラの無料貸出もあり

並べてみると、公開されている情報の粒度がそのまま差になっていることが分かります。比率や創業年まで出している事業者と、法人名すら書いていない事業者があるという点は、それ自体が判断材料です。

なお、数値が公開されていない項目を無理に埋めてはいません。公開されていないこと自体も情報だと考えてください。面接の場で確認すべき項目が、そこにそのまま残っています。

顔出しなし・身バレ対策はどこまでできるのか

配信に使うリングライトとウィッグスタンド

結論として、顔を出さずに働く手段は複数あります。ただしどこまで用意されているかは事業者の設備しだいなので、応募前に確認しておく項目になります。

実際に用意されている手段

公開されている対策を整理すると、大きく3つの方向に分かれます。

手段具体的な内容公開している事業者の例
映像を加工する肌の補正や目の大きさ、髪色まで変えられる専用カメラを配信部屋に設置アリュール
変装するウィッグ・マスク・衣装の無料貸出。顔出しは任意にできるフェアリーテイル、アリュール
そもそも顔を映さない声だけで出演するアバター配信。原理的に顔が映らないアリュール

特にアバターでの配信は、加工や変装と違って顔の情報そのものが配信に乗らないという点で性質が異なります。身バレを絶対に避けたい場合は、この選択肢があるかどうかが分かれ目になります。

顔出しの有無は報酬に影響する場合がある

ここは正直に書いておきます。顔を出さない選択は、収入面では不利に働くことがあります。アリアチャットは顔出しなしのノンアダルトでも上位入賞者を出した実績があると公式に記載していますが、一方で顔出しなしのノンアダルトは厳しいと指摘する第三者媒体もあります。

顔出しなしで成立するかどうかは事業者のノウハウにも左右されるため、面接時に「顔出しなしで働いている人が実際にいるか」を聞くのが確実です。

副業として続ける場合の確認事項

勤務先や家族との関係で気になるのが、税金まわりの扱いです。チャットレディの報酬は、会社に雇われてもらう給与ではなく、個人で仕事を請け負う業務委託の扱いになるのが一般的です。そのため給与のように税金が天引きされず、自分で確定申告をすることになります。

国税庁の基準では、給与を1か所から受けていて源泉徴収されている会社員の場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。この基準は所得(収入から必要経費を引いた額)で判定します。

制度面で確認しておきたいこと
  • 確定申告の相談に乗ってもらえるか。フェアリーテイルは店舗により顧問税理士が支援すると第三者媒体が記載している
  • 社会保険に加入する制度があるか。アリュールは正社員雇用による社会保険加入制度を設けている
  • 在籍証明や収入証明が必要な場面に対応できるか

これらは事業者によって対応の幅が大きい部分です。公開情報に書かれていない場合は、用意がない可能性を前提に確認してください。

ノンアダで働くときによくある質問

A.段階的に対応する方法が知られています。まず話題を変えて流す、それでも続くならはっきり断る、応じない場合は退出させる、そして運営に相談する、という順です。ライブチャット・ジュエルは、お客様からの脱ぎ行為の強制も店側からの強制もないと公式に明記しています。断ったことで不利益を受ける仕組みかどうかは、面接時に確認してください。

A.事業者と配信先のサイトによって分かれます。フェアリーテイルやアリュールは顔出しを任意としており、ウィッグやマスクでの変装、映像加工、声だけのアバター配信にも対応しています。一方で、配信先のサイトによっては顔出しが必須になる場合があります。応募先がどのサイトを扱っているかまで含めて確認するのが確実です。

A.未経験からの開始が一般的です。フェアリーテイルは応募者の約92%、アリュールとWithはいずれも約9割が未経験スタートだと公開しています。パソコンの操作や話し方、カメラの使い方から指導する体制を各社が用意しており、知識がない状態からの開始を前提にした設計になっています。

A.重視する点によって変わります。在宅は通勤の手間がなく人目にも触れませんが、機材を自分で用意する場合があり、サポートも受けにくくなります。通勤は設備とサポートが整う代わりに、報酬率(売上のうち自分の取り分になる割合)が低めに設定されるのが一般的です。アリュールは通勤30〜44%に対し在宅40〜55%と公開しており、Withは在宅の最低時給を通勤より高く設定しています。

A.アダルトより単価が低いのは事実です。ポケットワークは1日5時間・週4日でノンアダルト20万円、アダルト40万円という目安を公開しています。ただし接客の形式によって単価構造は変わります。Withはパーティーチャットならノンアダルトでも時給6,000円からと記載しており、形式の選び方で差は縮められます。

まとめ

ノンアダとは、脱いだり性的なパフォーマンスをしたりせず、会話だけで接客する働き方です。法律の枠組みの上でも、脱衣や性的な行為を含まない配信は性風俗関連特殊営業の定義から外れます。

ただし、求人票の「ノンアダ可」をそのまま受け取るのは危険です。同じ言葉でも、専門として運営しているのか、選択肢の一つとして扱っているだけなのかで中身が違います。この差は、比率や実績の数字が出ているか、方針が文書になっているか、直営か加盟店かという3点で見分けられます。

この記事の要点
  • ノンアダは会話のみの接客で、脱衣・露出・直接会うことは含まない
  • アダルトとの報酬差は事業者の公開例で約2倍。ただし接客形式の選び方で単価構造は変わる
  • 「ノンアダ可」には専門・選択制・明示なしの3段階があり、求人票の文言だけでは区別できない
  • 比率や創業年まで公開しているかは、それ自体が判断材料になる
  • 顔を出さない手段は映像加工・変装・アバター配信の3方向。設備の有無は事業者しだい

応募先を決める前に、この記事で挙げた確認点を1つずつ当てはめてみてください。公開情報に書かれていないことは、面接で聞くべきこととしてそのまま残っています